海に近い波路上明戸地区は、1896年の明
治三陸大津波で多くの住民が犠牲になりま
した。明戸に隣接する杉ノ下地区にある海抜
11mの高台は、明治三陸大津波の時に津波
が来なかったことで、市の指定避難場所にも
なっていました。しかし、2011年の東日本大
震災では、この杉ノ下地区の高台を津波が
襲い、避難した多くの方が犠牲になりまし
た。襲った津波の高さは約18mと言われてい
ます。杉ノ下地区全体では、住民312人の約
3割に当たる93名が犠牲になりました。2012
年3月、地区の遺族会でつくる「杉ノ下遺族
会」により、避難場所だった高台に建立され
た慰霊碑には、子どもから高齢者までの計
93名の名前、「絆 あなたを忘れない」と題す
るメッセージ、震災の爪痕の記録、そして、次
の教訓が刻まれています。『この悲劇を繰り
返すな 大地が揺れたらすぐ逃げろ より
遠くへ・・・より高台へ・・・』
以下、慰霊碑に刻まれている言葉です。
絆
あなたを忘れない
「ここに居れば大丈夫だ」
しかし、無情にも第一波で
下手から家や車が押し寄せ
そして、第二波、第三波が…
九十三名の尊い命と
すべての財産が海へと散った
あの一声が無情の叫びに
私たちはあなたを忘れない
今までありがとう
こころやすらかに
杉ノ下地区民一同
- 住所
- 〒988-0245 宮城県気仙沼市波路上杉ノ下