階上について

気仙沼市階上地区について

宮城県の最北部に位置し港町として有名な気仙沼市。その気仙沼市のほぼ中心に位置するのが階上地区です。三陸復興国立公園に指定された風光明媚な海岸線を誇る岩井崎。白砂青松で遠浅なお伊勢浜海水浴場など雄大な太平洋が広がっています。わかめや牡蠣、ネギやいちごなど豊かな自然に育まれた高い品質の食材が豊富です。歴史的な伝統ある豊かな文化、震災遺構による防災学習など魅力的な見どころがたくさんあります。

階上の歴史

1875年(明治8年)10月7日
内務省通達により、波路上村・長磯村・最知村・岩月村が合併し階上村が成立。合併当時の戸数は396戸。人口は2393人だった。村名の由来は、仙台藩の学者・佐久間洞巌の「波止上の村名、昔はこの地を階上郡と称した」という説に依るとされている。
1955年(昭和30年)4月1日
大島村・新月村と共に気仙沼市に編入される。

階上の魅力

三陸ジオパークに認定(2013年4月)

「ジオパーク」とは、「地形や地質などの地球活動の記録を保全して、研究や教育に生かすと共に地形や地質に繋がる植物や動物、更にその中での人々の豊かな生活が生み出す文化の素晴らしさ、奥深さを来訪者に楽しんでもらえる」という意味だが、「三陸ジオパーク」は、震災の記録を後世に伝え、学ぶ領域」としての役割も担うこととなる。 階上のジオサイト(見どころ)は下記の通り。

1. 岩井崎

昔は船が座礁しやすい場所で「地獄崎」と呼ばれていたが、 第5代藩主伊達吉村公が領内視察で景勝地を愛でて「祝崎」 とし、その後現在の「岩井崎」の名称になった。
(1) ペルム紀化石産地
岩礁は、今から約2憶5千万年前(古生代ペルム紀)に海の浅瀬にすんでいたサンゴやアンモナイト、ウミユリ、フズリナなどの数十種もの化石の宝庫。地質学上、貴重な場所として県の天然記念物にも指定されている。
(2) 秀の山雷五郎像
第9代横綱「秀の山雷五郎」(本名:辰五郎)1808年(文化5年)菊田久吉の五男として最知村に生まれる。16歳で江戸にのぼり、秀の山伝次郎の門下となる。持ち前の努力と粘り強さで1845年38歳で第9代横綱となる。164㎝・158㎏ 横綱在位5年・優勝6回を誇る。
(3) 潮吹岩
打ち寄せる波が、長い年月をかけて石灰岩を侵食して、海食洞と潮吹きの縦穴を作った。波が打ち寄せるたびに、波と空気の圧力が潮を吹き上げ、何メートルもあがるダイナミックな光景が見られる。
(4) 龍の松
大津波の激流を受けながらも辰年に残った松が「龍」に似ていることから「龍の松」と命名、一時は枯死状態となったがその後保存しよう加工を施して残した。現在は復興のシンボルとなっている。

2. 階上でとれる海の幸

岩井崎沖は、ノルウェー沖・カナダ沖(ラブラドル海流)三陸沖(金華山沖)と並ぶ世界三大漁場であり、この三陸沖は、全海洋(世界)の14%(33,000種類)の生物が生息している、豊かな海である。

3. 播州流波路上塩田の跡地

1680年、製鉄技術調査で中国地方を訪ねた本吉郡馬籠村の佐藤三右エ門が帰路たまたま赤穂に立ち寄り、塩づくりの様子を目にした。3年後、藩の許可を得て人手も燃料も効率が良い藩州流製塩法(入浜式)を導入しようと赤穂で塩煮法を学び、帰りには浜子2人を2年間の約束で連れ帰った。波路上塩田は、当初は民営だったが、その後伊達藩直轄の御塩場として、隆盛を極め、赤穂の製塩技法は東北各地に伝播していった。

4. 郷土芸能

岩井崎明戸虎舞打ち囃子保存会
岩井崎明戸虎舞打ち囃子は二百年もの歴史を持つ、岩井崎・明戸地区に伝わる、伝統芸能として気仙沼を中心に活動しています。 2011年3月11日の東日本大震災で、練習場所・太鼓など備品の保管場所が津波で被災し、大太鼓二つを残し、太鼓・虎・法被等全てを流されてしまいました。 全国からの支援を受け、現在も太鼓と笛の音に合わせて虎が舞い踊る力強さを感じられる伝統的な打ち囃子を各地で披露し、感動と喜びを与えています。 気仙沼を代表するお祭り「気仙沼みなとまつり」や階上地区のお祭り「荒磯まつり」などで演舞を行っています。毎年1月1日には、琴平神社で奉納演舞、その後岩井崎園地に移動して初日の出に合わせて虎舞を披露及び祝もちまきを行っています。 気仙沼市の無形民俗文化財に2018年6月に指定されています。
森前林穐葉太鼓
森前林地区に伝わる「穐葉太鼓」。気仙沼らしい大漁旗をモチーフにした華やかな法被を身にまとい力強く笛と太鼓を演奏します。「気仙沼みなとまつり」や地元の催事等で披露しています。また、郷土芸能の保存・伝承活動を通して地域の児童・生徒の健全育成にも寄与しています。

5. ウニ・アワビの開口

開口” とは・・・アワビや夏に獲れるウニなどは資源保護の観点から漁獲管理が行われています。所属の漁協の漁業権を保有している方が、一ヶ月の間でも天候や海の濁り具合などから判断し限られた数日のみ漁を行うことです。ウニ漁は5~7月にかけて一月に2回ほど行われます。三陸で採れるウニは殆どがムラサキウニで、自然豊かな海で育ったワカメやコンブなど、海藻をいっぱい食べて丸々に太り、まろやかな舌触りと甘味が強いのが特徴。アワビ漁は、11~12月にかけて行われます。小舟に乗った漁業者が朝焼けの中、箱メガネで海中を覗き岩場にいるアワビを探し出し、長い竿を巧みに操って漁にいそしむ姿は冬の風物詩。
アワビの開口